2008年12月30日

限られた時の緊張感がドラマを生む:映画感想(イキガミ)

映画感想
イキガミ
http://www.ikigami-movie.jp/index_pc.html

(感想)
物語としては2つの要素を描いている。
1 残り24時間の命と知った人間がその時間をどう生きるか?
2 この法律(国家繁栄法)を執行する超管理社会の恐ろしさ

1に関しては3人の最期が描かれる。
この3人以外にプロローグで、1人。10年以上前(学生時代)に自分をいじめた同級生に復讐の刃を向ける。刃を振り下ろす前に死亡(時間になる)

本編
1人目(ミュージシャン)
2人組歌手。日陰の存在であったが、テレビ生出演を果たす。
その番組中、自分が歌いたかった歌を熱唱し息絶える。
番組前に仲違いした元相棒に詫びを入れて・・・

完全燃焼ではないとしても、残された時間を精一杯生きた、という悲しくも感動を呼ぶ最期を飾る。

2人目(引きこもり)
国会議員の一人息子。
選挙を控えた母親(議員)は、死を前にした息子に選挙応援を頼む。
母は国家繁栄法(0.1%の若者を死に至らしめる法律)推進派であり、親の愛情を示さなかった。
イキガミの通知を受けた息子は最期に母を撃つ(弾は外れて警官に射殺される)

死を目前にした人間が新たな目標を見つける。決して建設的ではないが・・・
(社会に・・自分を虐げた人間に・・)
十分にあり得る生き方?に感じられた。


3人目(兄)
子供の頃、交通事故で両輪を無くし、妹の目を無くした。
取り立て屋という堅気の職ではない・・
その兄は妹を守っていく。これが最優先の生き方だった。
最期も妹に自分の角膜を移植する。このために奔走する。


目的を話、達成感があった。
しかし、本人はもっと生きたかった、その2つの気持ちがじんじんと伝わってきた。


超管理社会の恐ろしさ

「18才から23才の間に0.1%の国民を死に至らしめる。」これが国家繁栄法である。
この法律に実施するための役所が設置されている。

この役所で反対を唱えた新人職員が連行される。
昔、恋人がこの法律によって殺された、・・みんな本当はおかしいと思っている筈だ
!と叫んで。
(この後思想教育を受ける)

ラストシーンで
この職員、笑顔でこの仕事を進めていた。
(思想教育の恐ろしさを描いている)

同様に、エピソードの2人目(引きこもり)の母=国家繁栄法推進の議員も
十数年前、国家繁栄法施行に反対して、連行され、思想教育を施された過去を持つ。


主人公は「あなたの命はあと24時間です」と通知する役所の職員。=通称イキガミ。
通知した若者の最期を見届ける度にこの法律に疑問を抱く。
しかし、役所は思想統制がかかっていて、その発言を許さない。
監視カメラも至る所に設置されて、国民と共にこの職員を監視している。


(反乱の兆し)
主人公の上司=課長は注意する
「その言葉(法律をおかしいと思う)は今は口にするな・・時期を待て」
監視カメラの死角になるところで囁く。
同志がすくなからずいる、ということを暗示している。


2人目の父親(議員秘書)
「俺は議員になる。まず市会議員、県会議員、そして国会議員になってこの法律をつぶす・・何年かかっても。」


(一応の理屈)
舞台設定となった「国家繁栄法」にも一応の理屈があった。
常に死を意識することにより、国民は緊張感を持って、懸命に生きていく。・・実データとしてこの法律の施行後は経済状況があがった。・・・となっている。無茶な法律といっても一応の理屈はある、ということで。

posted by しくむ at 12:34| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 心のつぶやきに言葉を(著作・映画編) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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