2004年12月27日

21 明るい調子とむせた沈黙が印象を深める

前回、「20」ではNHKの優勝スピーチに否定的な感想を述べたが、それだけで終わってしまうのも片手落ちと思ったりもした。実はこの前年、準優勝?のスピーチが好印象として残っている。

演題「3人の父親」
「私には3人の父親がいます。実の父、いまの父、死別した父。実の父の居場所を母から聞いて会いに行きました。でも、結局会わずに、帰りました。そして、手紙を書くことに・・・。ところが書き始めがなかなか出てこない。はじめまして・・なんかよそよそしい。こんにちは・・・手紙にはそぐわない。(それまで明るい調子で話したいのが、急に声につまり泣き声に・・・しかしそこから立ち直りまた明るい調子を取り戻す)・・私は父を意識しすぎていたという気がしてきました。いま、わざわざ会いに行かなくても自然とそうなるときが来るような気がします。そのときまで、無理せず、女を磨いておきたいと思います。」

結局父親と会うことも手紙を出すこともなく終わってしまい、結論の「女を磨いておく」にしても特に意味があるとも言えなさそう。・・・・と冷徹に分析してしまえばそうなるが
複雑な環境の身の上を語るに、声の調子が気持ち良いくらい明るかった。ところが中盤にチラッと涙にむせる場面があって・・・それがまた話しにリアルさを感じさせた。この涙は意識したものではないだろうが非常に効果的だったと思える。
そして、聞き終わったときもさわやかさを残した。
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2004年12月30日

22 時間が経っても・・・

 このページでは久々にスピーチコンテストの話しを取り上げます。
 スピーチの中に、時間が経っても後々まで記憶に残る、というものがある。コンテストの結果とは関係なしに・・・・

遠山孝弘氏・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ある午後の昼下がり」
ジオスの仲間で十和田湖へ行った。男4人、女2人。湖ではボートそれも手漕ぎではなく、ペタル式のスワン。間違っても男同士では乗りたくないと思っていたらグッパーじゃんけんで見事男同士の船になった。
そして、競争をすることに・・・そこでは見事3着の敗北。目標となっていたピンクのスワンは逃げ出すし・・・最後岸に帰るときアベックが岸から・・男同士で乗っているところを見られたくなかったが・・開き直って肩を組んでやった。
「フン」と馬鹿にされたようなカップルの視線。十和田湖に寒い風が吹いた。」


スピーチ時間5分、制限時間の3分10秒を大幅に超えていた。そして、主題を述べたわけでもない。
しかし、2ヶ月近くたった今なお印象が強い。

なぜだろうか?

一つ、場面の描写が鮮明にイメージされたから。
それから”踏んだりけったり”の一日。その一日を面白おかしく話されて、何度も笑えたから。男同士で・・・という気恥ずかしさや哀れさに共感しながら・・・・。

また、「自由題」ということもあったと思える。
スピーチコンテストの課題は・・「この3ヶ月を振り返って・教室で学んで得たことこと。」または「自由題」となっている。自由題というは教室の内容とは関係無しの話題で話すということ。これは少数派で月毎のコンテスト中に1人いるかいないかくらい。大半は、教室に関連付けた話題にする。(その方が共感できるスピーチになる)
 この日も、自由題は彼一人だった。他のスピーチと毛色が違ったことも印象付ける要因の一つになったいえる。
 個人事になりますが、私もコンテストスピーチは自由題(教室で学ぶ遥か昔の学生時代のことを話題にした)で実施したため、自由題の人に親近感を感じる度合いが強いのかもしれない。

ただし、自由題でコンテストの得票を得るのは難しい。聴衆は受講者や修了者。「教室のこと・教室で学んだ内容を実践してみたこと」を話題にしたほうが共感を得られる。受講中2回、修了後3回コンテストスピーチ聞き手の立場を経験して、やっとそのことを実感した。
(それでも、なお自由題に挑戦する人を見かけると嬉しくもなります)



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2005年01月01日

1 己のスピーチを主観的に(1/1)



池本さんはどんなコンテストスピーチをしたのですか?
教室で何度か質問を受けたことがある。聞きたい気持ちは良く分かる。私も、先輩のコンテストスピーチに興味が湧くから・・・。
私はこれまで自分のスピーチについて書くことにためらいがあった。
それは、客観的に見ることが出来ないから。
聞く立場と話す立場は全く違う。自分がうまく話せたと思っても、「伝わっていなかった」こんな経験もいくつかあるから(教室以外でよくそう思ったことがある)
それに心に残るスピーチというのも変な気がして・・・・


しかし、ちょっと硬くものを考えすぎていたかな?
自分のスピーチも・・・とお手伝い仲間から言われたことでもあるし・・・
ということで、自分のを語る場合は「思い出深いスピーチ」というタイトルのつもりで主観的に書かせていただきます。


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コンテストスピーチ「初めての1等賞は恥ずかしかった」


こんにちは。池本慎二です。
初めての1等賞は恥ずかしかった、というお話です。

私、水泳部でした。中学、高校、大学とね。実力的には予選をびりにならければいい、という程度でたいしたことはなかったです。

で、大学のときの話です。
初めて隣の市の尼崎市の大会に出ました。
他の部員も一緒にね。
申し込んだ種目は100m自由形。いちばんポピュラーなものです。
それはよかった。

しかし、当日会場に行って、出場者名簿を見てびっくりしました。
100m自由形、大学生・社会人の部 私一人しかいません。
他の部員はみんな50mに出場でした。
ちょっと待てよ!この50mプール、俺一人で泳げってことか、
これはちょっと、いや大きく恥ずかしいなぁ、と棄権したくなりました。

ところが棄権するときは大会本部に申告に行かなければならない。
それもまた嫌だった。
で、結局泳ぎましたよ。

コースは第4コース。予選通過者1位の者が泳ぐコースです。
ピーの音でスタート台に立ちます。
このとき左右誰もいません。
スタンドから「4コース」という声援がありました。
ちょっと嬉しかったです。大きく恥ずかしかったです。

ヨーイ バン!で飛び込みました。
すると、水の中、視界が狭まり前しか見えない。
恥ずかしさがちょっと薄らいで、それが嬉しかったです。

100mなので行って戻ってきたらそれで終わり、
そそくさと逃げるように控えのスタンドに帰りました。

ところが、話はこれで終わらない。
表彰っていうのがあるんです。
一人しか出場していないのだから完泳した私は1着。
恥ずかしかったけど、表彰受けましたよ。
3段の表彰台に立ちました。
このときも左右誰もいません。
「タイム1分11秒いくらか」
私の中ではそんなに悪いタイムではありませんが、
大会に到底通用するタイムではありません。あと10秒くらい早くなければ。
でも、メダルを首にかけてもらいました。

昼間はこんな風に恥ずかしかったんです。
でも、そんなことは忘れて・・・
家に代えると家族に、「これ取ったぞ」とメダルを見せびらかせました。
次の日、学校に行ったときも「これ取ったぞ、取ったぞ」と自慢してやりました。


こんな風に、当事はものすごく恥ずかしかったのですが、今となってはいい思い出です。
こんなことって結構あると思うんですよね。
そして、そういう思い出が多いほど充実した人生だと、最近はそんな風に思っています。

以上
初めて1等賞は恥ずかしかった。
池本慎二でした。
ありがとうございました。
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この日はいつになく、緊張しました。練習は十分にしたつもりでしたが、待っている間に最初の一言が言えなくなるのではないか?と不安になってきまして、「初めての1等賞は恥ずかしかった。」と手帳にメモ書きしました。
最初の一言を話し終えると少し落ち着きます。・・・・・その後は大きな失敗なく話せたかな?と思えました。スピーチが終わり後ろに戻るとき、次の番で控え席に座っていた磯村氏が「ヨカッタネ」との表情をしてくれたのでホッと一安心できました。

終了後、先輩受講生坂下さんからはこんなことをを言われた。
「教室と関係ない話をすると先生の機嫌は悪いよ!・・まあ、でもそれで入賞(3位)したんだから・・・・」
私は意識して教室の話題を外したのですが(天邪鬼)、先生が急に怖く見えてきた(>_<)
自由題では票を得にくい。というのは前回に書きましたが、当時私はそのことにまだ気づいていませんでした。


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2005年01月03日

4.「聞き手の反応」というご褒美を受け取ろう



昨日は今年初めての合同講義及びスピーチコンテストが実施された。
第19回スピーチコンテストより・・・・・・

渡瀬友子さん(2:46)
「聞き手の反応に気づけて良かった」
「教室(それ以外も含めて)2回目までは緊張して聞き手に目を向けられなかった。
しかし、3回目からは聞き手の人を見ることが出来るようになってきた。
それから少しづつ聞き手の反応を見ながら話せたりしだした。
相槌や笑、そして暖かいコメント、聞き手の反応があって、支えられた。」

「聞き手の目を見て話す。」
人の視線に慣れるまではそれを実施することが難しい。
しかし、逆もまた真なり。
「聞き手を見ずに話しているから緊張感がいつまでも持続してしまう。」とも言えるのだ。

話し始める前は誰でも緊張する。そこから徐々に落ち着いてくる、という人は多い。
なぜか?
一つは最初の一言を話せて安心するから。
(最初の一言で躓かないためにも短い簡単な言葉から始めるのが一つの有力な手)
もう一つは・・・・聞き手の反応を見て、自分の話は伝わっている、と・・それを確認できるから・・・
自分の言葉と聞き手の目を見ながらスピーチを進めていくと、一種の対話に近い感覚になる。
それは緊張感が緩和し落ち着きを取り戻すことの繋がるのである。

昔、小さな部屋でスピーチをしていたことがあった。聞き手は8人ほど。
ところがそこへ遅刻した3人が部屋に入ってきた。(ガサガサと)。
私は急に話し難くくなった。音と動き、そして聞き手が話してである私ではなくて、席に着こうとする遅刻者の方に注意を払っているのが分かってしまうから・・・・
「ちょっと席に着くまで待ちましょう!」と私はスピーチを中断した。
(あの時は臨機応変に対応した。と我ながら思ったりします)
やっぱり聞き手に言葉が伝わらないと落ち着かないのだ。


聞き手の目を見ながら話す。・・・・大変難しいような気がする。
しかし、その難しい課題を克服したとき、聞き手の反応に安心できる。=緊張感の緩和・・・というご褒美が待っているのである。
渡瀬さんのスピーチを聞きながら、その初々しい気付きに・・私は上記の体験を重ねて共感したのだった。


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2005年02月27日

8 重い空気は共感より・・

17年2月コンテスト最優秀賞スピーチより

久井和則氏
【出会えてよかった】
僕は会話が苦手だった。そして、この教室へ来た。でも、苦手意識は克服できなかった。途中、メーリングリスをつくったりして多くの人にメールを出して頑張ったつもりだ。
しかし、やはりメールは話とは違う。やっぱり会話は苦手・苦痛。いつも辞めたいと思っていた。でも真剣に僕に向き合ってくれる人がいた。ここで辞めるとその人を裏切ることになる。こう思って踏みとどまることが出来た。ここで学んだことは、素直に感じたことを表現することの大切さ、自分をさらけ出すことの中に感動があるということ。
 久保先生、感謝しています。

久井氏がところどころで”フー”と息継ぎをする場面があり、”本当に話すのが苦手だ”と見える。それがこの話の説得力を増させた。
スピーチ中、空気は重く張り詰めていた。それは悪い雰囲気ではなく、皆がその苦手意識と踏みとどまる努力に共感した空気なのだ。
 
 スピーチの最後に相手とは久保先生のことだと分かる構成になっていた。

スピーチ直後、先生を見ると・・・グチャグチャな泣き顔だった。次の出場者を呼ぶ時も泣き声であった。普段から泣き虫先生だけど、こんなに長い時間、そしてグチャグチャに泣いたているのを見たのは初めてだった。


思い出した言葉2つとドラマのシーン1つ。


先生
「私は笑わせるスピーチを奨励しているけど、人を泣かせるスピーチというのは最高だと言えると思っています。」

先輩修了生坂下さん
「感動系のスピーチというのはコンテストでも一番人気なんだよね。」

(今回、お笑い系の優れたスピーチもあったのですが、それを凌いで堂々の1位。2つの言葉に説得力が増します)


ドラマ「ポニーテールは振り向かない」(第3話「男の決闘」)より
2人のピアニストが女性をめぐって決闘した。ピアノ演奏で・・・・
1人目(ケント・ギルバート)の演奏が終わったとき拍手と歓声の嵐だった。手ごたえ十分。
2人目(松村雄樹)の演奏が終わった後、拍手も歓声もない・・沈黙・・・・・・。
松村「そうか俺の負けか!」と去ろうとしたとき
ケント「そうではない。僕の負けだ。」
聴衆は皆涙していた。・・・・その涙にケントは負けを認めたのだった。

打ち上げの時間に
「久井君、先生を泣かせるために緻密に計算されたスピーチだったのでは?」と質問したが、冗談である。
久井氏のスピーチは計算されたものとは見えなかった。率直な表現が感動系の極みであったとも言える。

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8 準備もまた楽し!



スピーチは苦しい・・しかし、楽しくなってきた。修了コンテスト時は聞くことがある。
では、スピーチ前の準備はどうだろうか?
今回、コンテストスピーチで共感したものがあった。

■田岡昌盛氏
 「3ヶ月間通って気付いたこと」
  人前で話すのが苦手で苦痛だった。が、みんなが上手になっていく様子が見て取れ、自分も考えればそれなりにできることを何度か経験した。こうなってくると現金なもので、スピーチを考えるのが楽しくなってくる。準備すれば上手に出来るんだ!と気付いた。

 スピーチの準備をする間に、頭をひねっているときに今まで埋もれていた記憶から浮かび上がってくる。出来事、気持ち、そして教訓。想い出が多いのは充実した人生。その思い出とは・・・実際にいろいろな経験をした。そういうこともあるだろう、しかし、小さな出来事にでも気持ちが入る。この方が思い出深い充実した、そんな時間を生きることが出来る。・・・この教室でスピーチを何度もスピーチを準備した経験から私もそう思える。。

このように私としては共感の多いスピーチだったが残念ながら受賞には至らなかった。
2つ気付いたことを2つ・・・・・


1 感情表現
  田岡氏、いつも温かい話し方をする人です。ただ、スピーチ内容は辛いことや・困ったことなどがあり、その感情が見えるような表現になれば、スピーチに説得力と印象度が増したであろうと想像できます。
今回の場合、前半、辛そうなそぶりで話されれば、感情移入しやすい。

2 主題
「3ヶ月通って気付いたこと」とは意味的に印象が薄い。
この場合は、「スピーチの準備は実は楽しい!」「準備に労力を裂いてスピーチを楽しもう!」等々にすれば話題に沿ってイメージが湧いてくるかもしれません。



と気付いた点はあるのですが・・・・・・・
「(スピーチの)準備が楽しい」というのは珍しく、そして私が常々思っていることであり、それが嬉しかった。
「スピーチ準備は思い出を掘り起こす作業」私的にはこんな表現なのですが、共感のスピーチを紹介させていただきました。

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2005年03月30日

12 不合格をきっかけに



先日、教室仲間の送別会が行われた。
「教室レポート」2004年記事「10」(私は良き後継者を得た)で紹介した羽村純二氏である。
彼は、修了生仲間の中でも人気者で送別会には30名が参加し盛大でにぎやかなものになりました。
寂しさもありましたが、笑顔で送ったいい送別会だったです。

一番印象深い話を掘り起こします。

「落ちてよかった」
「僕はメーカーに勤めているけど・・・今年は公務員試験を4つ受験したが、3つ、筆記試験は合格したが、面接で落とされた。そのうちひとつなどは面接官は”いい話が聞けた”など誉められたにもかかわらずです。非常に落ち込んだ。そんな時、インターネットで”話し方教室に行けばよかった”という書き込みを見た。そして、僕も探してこの教室へ来た。ここでは普通には出会うことのなかったであろう人たちを出会えて多くのことを学ぶことができた。これも試験に落ちたおかげだと今では思える。 その後4つ目の試験の発表があった。合格することができた。来春からはそこに転職する。」
 



4つとも筆記試験は合格している・・・・しかし、面接が壁に・・・彼のイメージにピッタリのエピソードでした。
面接での感触が良かったにもかかわらず、不合格となった試験も・・そのショックが伝わってきた。
私は新卒時の面接で3つ続けて落ちたことがあり、そういう時はもううかる気がしなくなりました。そのときのことを思い出していた。
結果的には、教室に来てその途中で合格通知を受け取り、大成功といえるでしょう。
就職試験に落ちるのは、人格を否定されているように感じでペーバー試験に落ちるよりショックが大きい。
それでも”落ちてよかった”(教室に来るきっかけになったから・・・)と。その言葉を述べる羽村君の姿がに自然に見えた。


最後に語られた転職・・・・勤務地は遠方となった。それが今回の送別会だった。



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